ROSC。ひと安心、ではありません。
しかし本当の勝負はここからです。そして2025年10月、AHAがCPR・ECCガイドラインを改訂しました。心停止後管理を扱うPart 11は、血圧・酸素・換気・血糖の目標値、体温管理の期間、けいれんとミオクローヌス、神経予後評価が軒並み更新され、新しい章まで加わっています。
とくに体温管理は「少なくとも36時間」へ。なんとなく24時間でやってきた施設は、運用の見直しが必要です。この記事では、何がどう変わったのかを、実際の動き方に落とし込みながら読んでいきます。
58歳男性。職場で突然倒れ、目撃者によるCPR。救急隊接触時VF、除細動2回でROSC。
搬入時、指示に従わない(GCS E1V1M3)。血圧82/50、心拍110、挿管され100%酸素で搬送中。心電図でST上昇なし。
さて、最初の1時間で何を決めますか。
この記事でわかること
- ROSC後に決める5つの目標値(酸素・換気・血圧・原因検索・体温)
- 体温管理が「24時間」から「36時間以上」になるまでの経緯
- 昏睡+非STEMIで冠動脈造影を急がない理由
- 神経予後評価に「良好な転帰の予測」が加わったという転換
1最初の1時間で決める5つ
ROSC直後にやることは、実はシンプルです。酸素・換気・血圧・原因検索・体温。この5つの目標値を、AHA 2025はこう定めています。
図1:ROSC後に決める5つの目標
酸素SpO₂90〜98%PaO₂ 60〜105測れるまでは100%でClass 2a換気PaCO₂35〜45mmHgETCO₂では代用しないClass 1血圧MAP≥ 65 mmHgこれ以上を狙う根拠はない収縮期目標は削除Class 1原因検索12誘導心電図速やかに(Class 1)頭部〜骨盤CT心エコー/POCUSClass 2b体温32〜37.5℃Class 136時間以上← ここが変更点Class 2a血糖は 70〜180 mg/dL の間に(具体的な目標範囲は示されなくなった)
2酸素と換気 ―「正常」に戻す
酸素:測れるまでは100%、測れたら絞る
信頼できる測定ができるまでは100%酸素が推奨されます(Class 1)。根拠はEXACT試験で、病院前でFiO₂を下げて低いSpO₂目標を狙うと低酸素イベントが増え、生存率が下がったためです。
測定できるようになったら、SpO₂ 90〜98%(PaO₂ 60〜105mmHg)を目標にFiO₂を調整するのが妥当(Class 2a)。この範囲は主要RCTで検討された幅を反映したもので、どの目標が優れるかは示されていません。観察研究ではPaO₂ 250mmHgを超える高度の高酸素血症が不良な転帰と関連しています。
皮膚色の濃い患者では、パルスオキシメータが低酸素血症を隠すことがある(Class 2b)。SpO₂は正常域を示しているのにPaO₂は低酸素域、という現象です。
日本ではやや縁遠く見えますが、外国人診療が増えるなかで知っておくべき記載です。
換気:軽度高CO₂血症は否定された
PaCO₂は生理的正常範囲(おおむね35〜45mmHg)(Class 1)。
ここは決着がついた領域です。脳血流を増やす目的で軽度の高CO₂血症(50〜55mmHg)を狙う戦略が期待されていましたが、TAME試験で24時間の軽度高CO₂を正常CO₂と比較したところ、6か月の神経学的転帰にも他の副次評価にも差がありませんでした。しかも軽度高CO₂群では、重度のアシデミアのためか介入中止が多かった。
そして実務的に重要なのが、ETCO₂で代用しないという指摘です(Class 2b)。心停止後患者ではETCO₂が偽低値となり、PaCO₂を正確に反映しないという観察研究があるため、血液ガスで測ることが推奨されています。
3血圧 ―MAP 65以上、ただそれだけ
低血圧を避け、最低でもMAP 65mmHgを維持する(Class 1)。
注目すべきは、「もっと高いMAPを狙う」戦略が否定されたことです。1000人超を含む4つのRCTが、低め(70mmHg以下)と高め(71mmHg以上)のMAP目標を比較しましたが、生存にも神経学的転帰にも差はありませんでした。低めの群で実際に達成されたMAPの中央値は約65mmHgで、これは敗血症や心原性ショックで推奨される最低値と同じです。
そして収縮期血圧の目標は削除されました。参照したRCTがMAPを用いていたためです。
心停止後の低血圧に対して、特定の昇圧薬を推奨する根拠は不十分(Class 2b)。
ノルアドレナリンが第一選択と言い切れていない点は意外かもしれません。心原性ショックや敗血症性ショックでは推奨されますが、それが未分類の心停止後患者に当てはまるかは証明されていないという慎重な立場です。
背景には病態の複雑さがあります。心停止後のショックは、初期の低拍出性から後期の血管拡張性へと表現型が移り変わる。単一の薬剤で語れる病態ではない、ということです。
4原因検索 ―12誘導心電図の「タイミング」
全例で可及的速やかに12誘導心電図(Class 1)。ここに、実務で効く指摘があります。
ROSC後8分以内に記録した心電図は、STEMIの偽陽性率が高い。ある研究では、ROSC直後の心電図でSTEMIパターンを示した患者の約3分の2が、中央値30分後の再検で非STEMIパターンに変化していました。
一方で、ST上昇がないことは、治療可能な冠動脈病変を否定しないとも明記されています。初回と再検の最適なタイミングは未確定です。
頭部から骨盤までのCTが妥当(Class 2b)。頭蓋内出血・肺塞栓・心タンポナーデ・大動脈解離・気胸といった原因に加え、肋骨骨折・誤嚥・肺挫傷・肝脾損傷といったCPRの合併症も拾えます。診断収率は研究により8〜54%、多くは約30%程度。
心エコー/POCUSも妥当(Class 2b)です。
5体温管理 ―なぜ「36時間」になったか
現在の推奨
- プロトコル化された体温管理を、全例に指示に従わない成人全員。心停止の場所も初期波形も問わない(Class 1)
- 目標温度は32〜37.5℃この幅の広さが、現在の立ち位置を象徴している(Class 1)
- 少なくとも36時間の維持今回の変更点(Class 2a)
- 復温は0.5℃/時より速くしないとくにROSC後に自然低体温を呈する患者では慎重に(Class 2b)
- 病院前の冷却輸液の急速投与は推奨しない利益がなく、害のシグナルが出ている(Class 3: No Benefit)
ここに至るまでの経緯
この「36時間」という数字は、突然出てきたものではありません。期間をめぐる20年の議論の帰結です。
図2:体温管理「期間」の推奨が動いてきた道筋
200220152017202120232025低体温療法の登場12〜24時間HACA / BernardTTM試験33℃ vs 36℃で差なし → 幅が拡大TTH48(JAMA)48h vs 24h・n=355良好転帰 69% vs 64%有害事象97% vs 91%TTM2試験33℃ vs 平温で差なしNEJM 2023発熱予防12h vs 48h(総計36h vs 72h)差なしAHA 202332〜37.5℃を「24時間以上」AHA 2025:「36時間以上」へRCTで実際に検証された最短の総時間が36h=これを下限として採用
整理すると、こういう流れです。
TTH48試験(Kirkegaard, JAMA 2017)。33℃での体温管理を48時間 vs 24時間で比較した355例のRCTです。
6か月の良好転帰は69% vs 64%で有意差なし(RR 1.08、95%CI 0.93–1.25)。死亡率は27% vs 34%(RR 0.81、0.59–1.11)と数字上は48時間群が良いものの、有意ではありませんでした。
一方で有害事象は97% vs 91%と48時間群で多く(RR 1.06、1.01–1.12)、ICU滞在も延長。ただし有害事象の多くは軽度で、神経学的転帰には影響しなかったと報告されています。
「長くすれば良い」わけではない——ここで一度、期間延長の流れは止まりました。
2023年12月のfocused updateでは、32〜37.5℃を一定に維持(Class 1)、目標温度到達後は少なくとも24時間の維持が妥当(Class 2a)とされていました。
なお、同年のAHA科学的声明で紹介されている「37.7℃未満を72時間以上」はERC/ESICMの推奨であり、AHA自身の推奨ではありません。欧州は当時から長め、AHAは24時間——この差が伏線になります。
NEJM 2023の試験。36℃で24時間の体温管理を行った後、デバイスによる発熱予防を12時間 vs 48時間で比較しました。総時間に直すと36時間 vs 72時間です。
結果は差なし。72時間まで引っ張る必要はないことが示されました。
ではなぜ24時間ではなく36時間なのか。ガイドラインの論理はこうです。
期間を検証したRCTが実際に用いた総時間は、36時間・48時間・72時間だった。そして大規模なTTM試験はいずれも72時間をプロトコル化していた。
つまり「36時間は、比較試験で非劣性が確認された最短の総時間」。だからこれを推奨される最短期間とする——という組み立てです。
加えて、心停止後の発熱と不良転帰の関連は複数の観察研究で一貫しており、最初の24時間の体温管理を終えたあとに生じた発熱でも、不良転帰と関連すると指摘されています。
ガイドラインはtemperature controlを、低体温期・復温期・その後の平温/発熱予防期をすべて含んだ「能動的な体温管理の全期間」と定義しています。
つまり「36時間の低体温」ではありません。34℃で24時間管理し、そこから復温し、平温を維持する——この一連の合計が36時間を超えていればよい。
ここで運用上の落とし穴があります。目標を36℃に設定した場合、復温にかかる時間がほぼゼロになる。従来「34℃×24時間+1℃/日で復温」としていた施設が、目標温度だけ36℃に変えると、体温管理の総時間が一気に短くなってしまう。
36℃を選ぶなら、その後の発熱予防を意識的に継続して、合計36時間を確保する必要があります。
図3:「36時間」の中身 ―低体温だけを数えるのではない
目標温度の維持32〜37.5℃のどこか復温0.5℃/時 以下で発熱予防平温を能動的に保つこの合計が 36 時間以上目標を36℃にすると復温がほぼ不要 → 発熱予防を延ばして総時間を確保する
低体温か平温か ―決着はしていない
2023年のILCORシステマティックレビューでは、32〜34℃と36℃/平温で生存に差がありませんでした。ただし信頼区間はより低い温度の有益性を排除していないとも記されています。そして含まれた試験のいずれも、低い目標温度で転帰が悪化したものはなかった。
非ショック波形についても、TTM2とHYPERIONの患者レベルメタ解析で低体温と平温に差はなし。一方、観察研究では重症度や脳損傷が強い患者で低体温が有益かもしれないという示唆もあり、重症サブグループでの最適解は不明(Class 2b)とされています。
期間の最適解を探るICECAP試験は2025年6月に中止され、結果は保留中です。
6その他の治療 ―並ぶのは「不確実」
この節の特徴は、推奨されないもの・不確実なものが並ぶことです。
- 予防的抗菌薬:利益は不確実(2b)2つのRCTで生存・神経学的転帰に差なし。早期肺炎/VAPの減少は示されたが、他の患者中心アウトカムは改善せず。抗菌薬適正使用の観点も踏まえ、ルーチン使用を支持する根拠は不十分
- 神経保護薬:効果は不確実(2b)マグネシウム、ニモジピン、吸入ガス(水素・NO・キセノン)、コエンザイムQ10、チアミンなど19のRCTが検討されたが、多くが単施設・少数例
- ショックに対するステロイド:価値は不確実(2b)50例のRCTでショック離脱までの時間などに差なし
- 血糖:70〜180mg/dLの間に(2b)低血糖と高血糖をともに避ける。具体的な目標範囲は示されなくなった
7冠動脈造影とMCS
整理すると4段構えです。
- ST上昇があれば、昏睡でも緊急造影Class 1。全STEMI患者への推奨と同じ立場。
- ST上昇がなくても、ショック・再発する心室性不整脈・持続する重度心筋虚血があれば緊急造影は妥当Class 2a。TOMAHAWK試験は「重度心筋虚血」の指標としてトロポニン基準値上限の70倍を用いた。
- それ以外の昏睡患者では、緊急造影を優先しないClass 3: No Benefit。1590人を含む複数のRCTで早期造影の優越性は示されず、一部ではむしろ害の可能性が示唆された。神経学的に覚醒するまで待ってよい。
- ただし退院前には造影をClass 1。とくに初期波形がショック適応、原因不明の左室収縮不全、重度心筋虚血の所見がある場合。
ショックを伴う心停止後の多枝病変で、非責任病変の同時血行再建は推奨しない(Class 3: No Benefit)。CULPRIT-SHOCK試験では即時多枝PCI群で死亡率と合併症が高く、心停止のサブグループでも同様の害が示されました。
一時的MCSのルーチン使用も推奨されません(Class 3: No Benefit)。14試験のメタ解析で生存に差がなく、重篤な出血と虚血性血管合併症が増加。ただし難治性心原性ショックで高度に選択された患者には考慮しうる(Class 2b)——DanGer Shock試験で利益が示されたのは、昏睡のOHCA患者を除外した集団でした。
8けいれんとミオクローヌス ―新しい章
心停止後、指示に従わない患者の10〜35%にけいれんや重積が生じます。推奨は次のとおり。
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| EEG | 指示に従わない患者には速やかに施行・判読(Class 1) |
| 臨床的けいれん | 治療する(Class 1) |
| 非けいれん性発作 | 治療は妥当(Class 2a) |
| モニタリング | 反復または持続的なEEGが妥当(Class 2a) |
| ictal-interictal continuum | 非鎮静性抗発作薬の治療的試験が妥当かも(Class 2b) |
| 予防投与 | 推奨しない(Class 3: No Benefit) |
TELSTAR試験では全体として3か月の不良転帰に差はありませんでしたが、電気的発作(2.5Hzを超える周期性放電)や進展するパターンを持つ患者では、段階的治療のほうが転帰が良好というサブグループ所見がありました。
ミオクローヌス ―ここが新しい
心停止後のミオクローヌスは18〜34%に出現します。そして重要なのは、ミオクローヌスのある患者の最大半数にEEG上の発作や重積が見つかり、臨床所見だけでは区別できないという事実です。だからまずEEG(Class 1)。
そのうえで、EEG相関のないミオクローヌスを抑制目的で治療することは推奨されません(Class 3: No Benefit)。理由は明快で、EEG相関のないミオクローヌスが二次性脳損傷の原因になるという根拠がなく、一方で薬剤の心血管系・神経系の副作用は実在するからです。
用語も整理されました。EEG評価前の臨床診断がstatus myoclonus、EEG相関があれば皮質性ミオクローヌス(=発作)、なければ皮質下性。なお専門家のコンセンサスは、「status myoclonus」という用語の使用を避けるべきとしています。
9神経予後評価 ―「良い方」も予測する
大原則
- 多角的に評価し、単一の所見で判断しないClass 1
- 交絡が消えるまで、予後の印象を保留する薬剤効果や早期の一過性の所見不良を避ける(Class 1)
- 家族との早期・定期的・透明性のある多職種での話し合いClass 1
- 平温化と鎮静中止から最低72時間経過してから統合する低体温管理を行った患者では、実務的にROSC後およそ5日(Class 2a)
背景にある問題意識は明確です。脳損傷による死亡の多くは、予測された不良転帰に基づく生命維持治療の中止によるものであり、72時間以内の予測は信頼性を欠くにもかかわらず、早期の中止が依然として頻繁に行われている。自己成就的予言(self-fulfilling prophecy)のバイアスにも繰り返し言及されています。
図4:神経予後評価のタイムライン
ROSC48時間平温化・鎮静中止から72時間NSE・NfL(72時間以内に採血)SSEP:両側N20消失(48時間以降)瞳孔・角膜反射burst suppression持続する重積すべてを統合して判断するのは、この時点より後(単一所見で決めない)※低体温例では実務上ROSC後およそ5日
不良転帰の予測(いずれもClass 2b)
両側の対光反射消失(≥72時間)/定量的瞳孔計(≥72時間)/両側の角膜反射消失(≥72時間)/SSEPで両側N20消失(≥48時間)/72時間以降も持続する重積/鎮静薬非投与下でのburst suppression(≥72時間)/NSEまたはNfLの高値(72時間以内)。
一方、未分類のミオクローヌスと上肢の最良運動反応は、予測因子としての有用性が不確実とされました。運動反応については、過去の文献で偽陽性率が最大75.1%に達し、単独使用は有害でありうるとされています。
EEG反応性の欠如を、不良転帰の予測に使わない(Class 3: No Benefit)。TTM2試験の事前計画解析で、特異度は60%にとどまりました(感度79%)。
「反応性がないから見込みがない」という語り口は、もう使えません。
良好転帰の予測 ―今回の思想的転換
従来は「悪い方」だけを予測していましたが、「良くなりそうか」も評価する枠組みが加わりました。
逃避反応以上の運動反応は良好な転帰の予測を支持しうる(Class 2b)。NSEの正常値(72時間以内)も同様(Class 2b)。
一方、保たれた対光反射・角膜反射は、良好転帰の予測には有用でない(Class 3: No Benefit)とされています。
NfL(ニューロフィラメント軽鎖)が血清バイオマーカーとして追加されました。複数の研究がNSEと直接比較し、NfLは高い特異度を保ちながら感度が優れると報告しています。
ただし注意点も明記されています。測定系によって値が異なり、最適な閾値と測定時期は不明。日常検査として動く施設はまだ限られるため、当面は「そういう指標が加わった」という認識で十分です。
そして、生きて帰ったあと
見落とされがちですが、これもClass 1の推奨です。
心停止生存者とその介護者に対して、医学的安定化のあと退院前に、精神的苦痛の構造化された評価と治療/紹介を行う。
さらに医療者のバーンアウトに対処する介入が有益かもしれないという項目まで入りました。蘇生に関わる側のケアがガイドラインに載る——これも2025年版の新しさです。
10結局どう動くか
- 酸素は100%から入り、測れたらSpO₂ 90〜98%へ絞る高すぎも低すぎも避ける。
- PaCO₂は35〜45mmHg。血液ガスで確認するETCO₂で代用しない。軽度高CO₂を狙わない。
- MAPは最低65mmHgそれ以上を狙う根拠はなく、昇圧薬の種類も問わない。
- 12誘導心電図を速やかに、ただし再検するROSC直後のST上昇は3分の2が消える。原因検索は頭部だけでなく全身CTを、安定化のあとに。
- 体温は32〜37.5℃を、合計36時間以上低体温期+復温+発熱予防の総和。復温は0.5℃/時以下。36℃を選ぶなら発熱予防を延ばして総時間を確保する。
- 昏睡+非STEMIで、ショックも不整脈も虚血もなければ緊急造影は急がないただし退院前には行う。多枝病変でも責任病変のみ。MCSはルーチンに使わない。
- 指示に従わないならEEG。ミオクローヌスもまずEEG相関がなければ抑え込まない。予防投与はしない。
- 予後評価は平温化・鎮静中止から72時間以降単一所見で決めない。EEG反応性の欠如は使わない。「良くなりそうか」も評価する。
ROSC直後の心電図でSTEMIと判断し、そのまま緊急造影へ(3分の2は再検で消える)/高めのMAPを狙って昇圧薬を盛る/軽度の高CO₂血症を狙う(TAMEで否定)/24時間で体温管理を終える/目標36℃にしたのに、復温が要らない分だけ総時間が短くなっている/その後の発熱を放置する/ミオクローヌスにEEGを撮らず抗発作薬を重ねる/72時間より前に、単一の所見で予後を語る。
=まとめ
Take home
最大の変更は体温管理の期間で、32〜37.5℃を合計36時間以上。24時間では足りず、72時間は要らない——その中間に落ち着きました。そして36時間は低体温の時間ではなく、発熱予防まで含めた総時間。目標を36℃にする施設ほど、この点を意識しないと総時間が足りなくなります。
そして思想の転換がひとつ。神経予後評価に「良好な転帰の予測」が加わりました。これまで我々は「見込みがない」ことを探してきましたが、「見込みがある」ことも同じ精度で探すべきだ、という宣言です。早すぎる生命維持治療の中止を避けること——それがこの改訂の通奏低音になっています。
参考文献
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